9月17日、文化庁の「文化芸術分野の適正な契約関係構築に向けた検討会議」第1回目の検討会が開催されました。

都倉文化庁長官のご挨拶に続き、各省庁から対象となる法令・政策・ガイドラインなどについてご報告が有り、その後出席した委員から、自己紹介と各分野で抱える状況等について発表がありました。
技術スタッフ事業者団体として申し上げたのは、
・表方の実演家と違い、業務内容や労働関係法令の制約もあり、約6千社、約60万の従事者がいるが、約9割は雇用契約者であること、業務委託比率は約1割であるが、1割でも6万人前後いるので、文化芸術分野で影響受ける業務委託者が多いのは、我々技術スタッフであること。
・クライアント様の名誉の為に、大多数のクライアント様からは、契約書があろうがなかろうがきちんとギャラを頂けている事。
・契約書が無いことは契約が無いことではなく、民法上も口頭契約は成立する事。
・しかし、コロナ禍での行政からの支援に契約書を求められる事例が発生したこと、法人企業が中心の技術スタッフ産業では、入札や借り入れ等の際に、行政・金融機関からコンプライアンスを厳しく求められる為、我々の業務委託形態が、下請法・独禁法・労働関係法令の適応であるならば、契約書の作成義務が法的に必要となる事。
・以上のことから、実演家と技術スタッフとでは、検討内容と法令解釈の角度が少し違うので、別の議論も必要な事。
・2023年のインボイス制度導入により、免税事業者からの仕入控除ができなくなるが、コロナ禍で疲弊した法人にその財政的余裕はなく、フリーランスであろうが、中小零細であろうが、課税事業者届けを出して頂く必要があるが、同じくコロナ禍でダメージを受けた委託先の立場で考えた時に割り切れないのも事実としてある事。
・ただ契約書の雛形があるだけではなく、諸課題ををクリアしていける雛形・内容で、現実的に全国の事業者が必要とするものにならなければいけないし、ただ配布しても難しいので、全国各地での研修会も必要なこと。
等の発言をしてきました。
来年の3月まで検討が続きますが、将来の経営維持と、業界の発展を考え対応してまいります。
引き続き都度でご報告させて頂きます。
何卒よろしくお願い申し上げます。

以下、参考リンク記載致しました。

 
・第1回 文化芸術分野の適正な契約関係構築に向けた検討会議検討会 
 開催概要と配布資料(文化庁HP)
https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/kondankaito/bunka_geijyutu_buny
a /01/index.html

・文化庁、文化芸術契約の指針策定へ 検討会、来年3月までに(サンスポ)
https://www.sanspo.com/article/20210917-AE7PTY6TP5JTVACP3LOD2A37UM/