6月25日首相官邸で「第9回全世代型社会保障検討会議」において2回目の中間取りまとめが行われ、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い発注のキャンセル等が発生する中、フリーランスとの契約書面が交付されていないため、仕事がキャンセルになったことを証明できないといった状況を踏まえ、政府として一体的にガイドラインの作成等、以下のルール整備を行うとの事です。
 
以下「全世代型社会保障検討会議 第2次中間報告」要点抜粋
 
(1)ガイドラインの作成
1.契約書面の交付

フリーランスと取引を行う事業者が、フリーランスに対し、契約書面を交付しない又は記載が不十分な契約書面を交付することは、独占禁止法(優越的地位の濫用)上、不適切であることを明確化する。なお、下請代金支払遅延等防止法の書面の交付にあたっては、受け手側が事前に承諾し、保存する前提であれば、現在オンラインでの交付も認められており、オンラインでの契約書面向けのひな形を示す。
 
2.発注事業者による取引条件の一方的変更、支払遅延・減額
フリーランスと取引を行う事業者が、フリーランスに対し、不当に取引条件の一方的変更や報酬の支払遅延・減額を行うことは、独占禁止法上の優越的地位の濫用にあたることや下請代金支払遅延等防止法上の禁止行為にあたることを明確化する。
 
3.仲介事業者との取引に対する独占禁止法の適用
仲介事業者が取引条件の一方的変更を行う場合もあることから、仲介事業者とフリーランスの取引についても独占禁止法が適用されることを明確化する。
 
4.現行法上「雇用」に該当する場合フリーランスとして業務を行っていても、
・実質的に発注事業者の指揮監督下で仕事に従事しているか、
・報酬の労務対償性があるか、
・機械、器具の負 担関係や報酬の額の観点からみて事業者性がないか、
・専属性があるか、
などを総合的に勘案して、現行法上「雇用」に該当する場合には、契約形態にかかわらず、独占禁止法等に加え、労働関係法令が適用されることを明確化する。
 
(2)立法的対応の検討
取引条件を明記した書面の交付は下請代金支払遅延等防止法上で義務付けられているものの、資本金1000万円以下の企業からの発注などフリーランスの保護を図る上で必要な課題について、下請代金支払遅延等防止法の改正を含め立法的対応の検討を行う。
 
(3)執行の強化
発注事業者とフリーランスとの取引におけるトラブルに迅速に対応できるよう、中小企業庁の取引調査員(下請Gメン)や公正取引委員会の職員の増員の検討を行うなど、独占禁止法や下請代金支払遅延等防止法に基づく執行を強化する。

また、ガイドラインの内容を下請振興法に基づく下請振興基準にも反映の上、業所管省庁が業種別の下請ガイドラインを改定し、これに基づいて執行を強化する。
 
(4)労働者災害補償保険等の更なる活用
フリーランスとして働く人の保護のため、労働者災害補償保険の更なる活用を図るための特別加入制度の対象拡大等について検討する。
また、フリーランスとして働く人も加入できる共済制度(小規模企業共済等)の更なる活用促進を図る。あわせて、フリーランスとして働く人のリモートワーク環境の整備を支援する。
 
全世代型社会保障検討会議 第2次中間報告全文(PDF)
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/zensedaigata_shakaihoshou/dai9/siryou1.pdf
 
NHK
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200625/k10012484111000.html
 
時事
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020062400971&g=eco